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地方創生・・・”ダントツ” をキャッチフレーズにこだわり続けるコマツの取り組みに学ぶ!

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アイキャッチ画像(画像出典元はこちら)

さて、昨日は巨大企業であるコマツが石川県小松市で進めている木質バイオマス発電についてご紹介しました。

今日は、木質バイオマス発電に限らず、コマツが地方創生に取り組んでいる内容を確認し、その姿勢を学んでみたいと思います。(こちらの記事参照)

地元の農業も積極的に支援

コマツは、農業に対しても積極的に支援しています。これからはTPP (環太平洋戦略的経済連携協定) の時代を迎え、農業も否応なく、世界との競争を強いられるようになってきました。

農業従事者の高齢化も深刻さを増しています。そうした環境の中、コマツは製造業の視点からものづくりの原点ともいえる農業をサポートし、社会貢献しています。

例えば、営農法人などと連携し、トマトハウスなどの温室でバイオマス発電や地下水熱空調を利用して通年栽培を実現させようとしています。小松市ではその気候から、半年間しか温室栽培をしないケースが多かったのですが、これを通年栽培することで、収穫量を倍増させようとしているのです。

また、米の収穫を増やすためには、農地の均平度 (平らに地ならしすること) を上げることが必要です。そこで、コマツの世界最小のブルドーザーに情報通信機器を搭載し、デコボコがなくなるよう農地をならすことで、収穫を増やそうとしています。

本社機能の一部移転

政府は東京一極集中を是正するため、中央省庁の地方移転を計画し、文化庁の京都移転が決まりましたが、コマツでは、本社機能の一部移転も他社に先駆けて21世紀初頭から進めています。

2002年には購買部門、2011年に教育部門が東京本社から小松市へ移転しました。両部門の移転に伴い、社員150人が小松市へ移ったそうです。市内の「こまつの杜」に研修所を設けて、世界49の工場や203の代理店から人員を集めて教育研修しています。

市内のホテルや旅館、仕出し屋を利用して地元に金を落とすために、研修所には宿泊施設や食堂をあえて設けていないとのことです。このことで、年間7億円前後の経済波及効果が出ているとか。

石川県産材を使い、粟津工場に食堂を建設

同社の粟津工場では、建設から40年以上が過ぎた2棟の組立工場を集約し、電力使用量半減も目標にして、約78億円を投入して2014年に延べ床面積3万1,900平方メートルの新組立工場を完成させました。

そして、県産材35立方メートルを使い、食堂を新設しました。2階建て延べ2,200平方メートルで、テラス部分は木材で中高層建築が可能なCLT工法を用いました。県産材の利用促進をアピールする狙いも込められています。

コマツが取り組む地方創生の狙い

小松市はコマツ発祥の地で、粟津工場が国内主力工場の1つになっていることが、コマツが力を入れて取り組んでいることの大きな理由です。そして、社員だけでなく、経験豊富なOBも活用し、全社を挙げて地方創生に取り組んでいます。

更に、自社だけでなく、原価率や減価償却といった製造業では当たり前の意識を林業や農業の現場に持ち込み、徹底的にコストを削ってペイする事業を実現させてきました。「ダントツ」をキャッチフレーズに何事にもこだわり続けてきたコマツらしいやり方といえます。

石川県では、「バイオマス発電は林業の収益力向上にとどまらず、県内製造業の新たなビジネスチャンスにつながる。本社機能の一部移転は、直接、間接の経済効果のほか、少子化対策にも効果があり、地方創生のモデルケースとなっている」と受け止めています。

コマツは、「たとえば本社機能移転の取り組みもそれ自体が目的ではない。コマツの企業価値を向上させる活動に取り組むことで地方創生につながるのがベストだ」と地方創生の狙いを語っています。

民間企業として、採算を度外視した取り組みは不可能ですが、コマツのように電力使用量を極限まで削減しつつ、更に地元経済にその削減効果を還元していくような取り組みは、巨大企業だからこそなせる術とも言えます。

企業や自治体、農林業団体が、自分たちだけの利益を考えていては、地方創生はうまくいかないでしょう。それぞれが学ぶべき知恵が、コマツの取り組みに隠されているように思います。

・・・・・・・
さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
 
 
・・・・・・・・・・・・
(2016.7.4記)

富田 邦明

IT関係のコンサルタントをしております。
業務効率化・システム改善だけでなく、経営者視点のリスクマネジメントも同時に行い、人とテクノロジーのシナジー(相乗)効果を最大限にすること、そして、活き活きとした雰囲気で働ける環境作りを目指しています。

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