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地方創生・・・”第1回一億総活躍・地方創生全国大会 in 九州” で特別講演した安倍首相 (4)

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アイキャッチ画像(画像出典元はこちら)

さて、これまで3回に亘って、「第1回 一億総活躍・地方創生全国大会 in 九州」の冒頭で、安倍晋三首相が行った特別講演の内容を見てきました。(記事)

今日で4回目、最終回です。

特別講演のポイント

安倍首相の特別講演の様子は、政府インターネットテレビで約38分の動画に纏められていますが、そのポイントは以下の3点です。

  1. 農林水産物の輸出拡大方針
  2. インバウンド観光の拡大
  3. 交通インフラの整備

これまでに、全体概要、そして「農林水産物の輸出拡大方針」と「インバウンド観光の拡大」の内容を確認しました。今日は、3点目の「交通インフラの整備」を見てみます。

「未来への投資」の必要性

2点目の「インバウンド観光の拡大」の中で、安倍首相は海外からの大型クルーズ船を受け入れる港の整備などに触れ、未来に繋がる「投資」が必要であることを強調しました。

観光立国実現のために、「21世紀型のインフラ」ら整備する必要があるという考えです。現在計画中の経済対策では、外国人観光客4千万人時代を見据えながら、「未来への投資」を行うとしています。

さらに、博多港にやってきたインバウンド観光客に、鹿児島で黒豚を味わってもらう。修復に向けて努力している熊本城も見てもらって、雲仙温泉にもつかってもらいたい、と構想します。

そのためには、地方と地方を結ぶ、交通インフラを創り上げていくことが重要です。

今や九州全域が一つの経済圏

特別講演が行われた7月27日は、21年前に九州自動車道が全線開通した日だそうです。それを機に、物の流れや人の流れが、劇的に変化しました。

高速バスの利用者は、今や、年間140万人を超えているとか。その後、長崎自動車道も完成し、今年 (2016年) は、東九州自動車道が、北九州から大分、宮崎まで開通しました。

鉄道でも、九州新幹線が開通し、4時間近くかかっていた博多・鹿児島中央間の移動が、わずか1時間余りに短縮されました。東京であれば、十分に通勤圏内の時間距離です。実際に、福岡と鹿児島の人の往来は4割増えたそうです。

交通インフラが整うことで、九州全体が一つの経済圏となってきました。博多の景気が良くなれば、その恩恵が、福岡だけではなく、九州全体に行き渡る。つながることで、九州全体が共に発展できる。この発想を、全国で展開したいと、安倍首相は言います。

それが、「地方創生回廊」なのです。

全国津々浦々を一つの経済圏に

政府は、東京と大阪を1時間でつなぐ夢の超特急「リニア中央新幹線」の全線開通を、財政投融資の積極的な活用によって、最大8年間前倒しする計画にしました。長崎新幹線を始め、全国の整備新幹線の建設も加速していく予定です。

東京と大阪、日本の二大都市を大きなハブとしながら、全国に広がる交通インフラに投資することで、全国津々浦々を一つの経済圏に統合していく。そのことによって、地方創生のうねりを、全国津々浦々まで広げていきたいとする構想です。

「投資」とか、「公共事業」というと、すぐに「お金の無駄だ」という批判が出てきます。一種の固定観念になっているからです。

しかし、何もせず、ただ手をこまねいていて「成長」するなんていう甘い話はないと安倍首相は指摘します。「投資」なくして「成長」なしと力説します。これは、国も、民間も、同じことです。

安倍首相は、農林水産業、インバウンド観光、交通インフラなど、未来の成長につながる分野、すなわち「未来の成長のタネ」には、大胆に投資したいと決意を表明しました。

最後に

安倍首相の特別講演は、「一億総活躍社会」をテーマに更に続きました。

その内容は割愛させていただきますが、安倍首相が「地方創生」に向けて何を重要視しているのか、それを把握できる内容でした。

まず、第一に一次産業である「農林水産業」を進化させて、新時代にふさわしい輸出産業に育成したいとの考えでした。

農業を見ると、日本では長い間、農林中央金庫をトップしたJA (かつての農協) グループという巨大な互助会組織で成り立っていました。

天候に収穫が左右されやすい農業では、そのリスクを多くの農家が分担することで支え合っていた部分もあり、そうした組織の存在意義は十分にあったと言えます。

ただ、日本国内に目を向けているだけではすまない現代になって、TPP反対を右へ倣えで唱えるだけでいいのか、疑問が残ります。

規制緩和や変革を進めて、新時代の農業に脱皮していくことこそ必要だと思います。良識ある農家の方々は、当然そんなことに気付いて、新たな取り組みをされています。

日本の中でも、特に高齢化が進む農業従事者が住む地域は、絶滅の危機が迫っています。将来に向けた手を打つのに、それほど多くの時間は残されていません。

さて、安倍首相が推進しようとしている、農林水産物の輸出拡大、インバウンド観光の拡大、交通インフラの整備などを考えると、その実現にはそれぞれ大きな苦労が伴うことでしょう。

それでも、日本の将来に向けて、我々自身もきちんと考え、できることをしていく必要があるな、と感じています。

以上、4回に亘って安倍首相の特別講演の内容を見てきました。その内容については、それぞれにご意見があろうと思います。

それでも、一国の首相が国の将来ビジョンを語る機会に、そうそう接する機会はありません。今回はその一端に触れることができたと思います。

そして、これからも安倍内閣がどのように取り組んでいくのか、国民の一人として注視していきたいと思います。

・・・・・・・
というわけで、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
 
 
・・・・・・・・・・・・
(2016.8.1記)

富田 邦明

IT関係のコンサルタントをしております。
業務効率化・システム改善だけでなく、経営者視点のリスクマネジメントも同時に行い、人とテクノロジーのシナジー(相乗)効果を最大限にすること、そして、活き活きとした雰囲気で働ける環境作りを目指しています。

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人生のセカンドステージを、ポジティブ&アクティブに過ごすことを目指して、アラカン(アカウンド還暦)世代の筆者が思いを綴るブログ。
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