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さて、昨日は石破茂・前地方創生担当大臣の足跡を辿り、「今なぜ地方創世なのか」という視点で記事をアップしました。
その石破氏が、先日 (2016.8.28) 兵庫県養父市 (やぶし) を訪れ、国家戦略特区の現場を初めて視察しました。(こちらの記事参照)
国家戦略特区としての養父市
養父市については、「国家戦略特区等における新たな措置に係る提案制度」の概要をご紹介した当ブログの記事で触れました。
兵庫県北部、但馬地域に位置する養父市は、中山間地農業の改革拠点として、国家戦略特区に指定され、今では特区のフロントランナーとされています。
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養父市が国家戦略特区に指定されたのは2014年5月。国家戦略特区等における新たな措置に係る提案制度を活用したことが発端で、特区に指定されました。
その提案内容とは、地域の農業委員会のみに許されていた農地の売買・貸借の許可事務を市長に移すということでした。それが実現した結果、農地の権利移動処理期間が迅速になり (18日→8日)、件数も増えた (年間40件→63件) のです。
そして、農作業従事者を役員に1人以上置けば、農業生産法人を設立できるようにしたことで、それまで10年に4社だった企業誘致が、1年で10社になるなどの成果を挙げました。
養父市を訪れた石破茂 前・地方創生担当大臣
養父市を訪れた石破氏は、まず特区事業者の「やぶファーム」や「やぶの農家」の田畑を訪ねて、担当者に生産規模や販路などを積極的に尋ねました。
能座地区では、「アムナック」による酒米生産が始まって2年で、地区のほぼ全ての休耕田が再生したと説明を受け、「日本中を回るが、こういう事例は聞かない」と石破氏は高く評価したそうです。さらに、規制緩和を活用して開設された古民家宿にも足を運んだとか。
取材に応じた石破氏は、各地の農場で参入企業の担当者らから事業の概要や進展を聞き、「養父市は (地方創生の) トップランナー」との感想を述べました。
さらに、特区の今後について「企業の農地購入はさらに緩和されてもいいのではないか。(タクシー業界が猛反発している) ライドシェア (自家用車の相乗り) も養父市をケースに対応を考えていきたい」と話したそうです。
最後に
自民党総裁任期の延長について「なぜ今、最優先事項なのか分からない」と重ねて疑義を表明している石破茂 前・地方創生担当大臣ですが、大臣退任後も地方の視察に行っているのですね。
昨日のブログ記事にも書きましたが、現在急速に進みつつある人口減少について「静かなる有事」と表現し、地方創生の重要性を繰り返し強調してきた石破氏です。
これまで大臣在任中の2年間で、250にものぼる市町村に足を運び、地方に眠る宝物を多く発掘してきたのではないでしょうか。そうした経験が、今回の養父市訪問にも表れている気がします。
今は閣外に出て、フリーな立場で日本の将来について、考えを巡らす毎日を送っているのではないか、と勝手に推測しています。
人口減のトレンドをこのまま放置すれば、数百年後には国家が崩壊するかもしれない「有事」に、これからも政治の力で立ち向かって欲しいと強く思う次第です。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2016.8.30記)