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さて、昨日は、石破茂・前地方創生担当大臣が、先日 (2016.8.28) 兵庫県養父市 (やぶし) を訪れ、国家戦略特区の現場を初めて視察したことについて記事を書きました。
その同じ日に、石破氏からバトンタッチを受けた山本幸三 地方創生担当大臣が、やはり国家戦略特区である福岡市を訪問しました。
そこで、今日は山本氏が、どのような構想を抱いているのか、確認してみたいと思います。
国家戦略特区の福岡市を視察した山本幸三 地方創生担当大臣
福岡市を訪れた山本氏は、市の創業支援拠点「スタートアップカフェ」や同カフェに併設する国の「雇用労働相談センター」、昨年博多区・博多港の中央ふ頭に完成したクルーズ船旅客施設「中央ふ頭クルーズセンター」などを視察し、副市長ら市側からの説明に耳を傾けました。
同カフェについて、山本氏は「大変入りやすい環境で、うまくいっていると感じた。特区が市の施設とうまくミックスしていた」と感想を述べました。
そして、「福岡市が国家戦略特区制度をしっかり使っていただいて地方創生のリーダーとして頑張っていることをうれしく思う。岩盤規制を特区でまず突破して日本全体を元気にさせたい」と話したそうです。
山本幸三 地方創生担当大臣の構想とは?
こちらの記事によれば、山本氏は、賃金が毎年2%以上、上昇する状況が実現しなければ「本当のアベノミクスは完成しない」と述べ、地方の所得増につながる施策を打っていく方針を明らかにしています。
また、2014年4月の消費増税以降、消費が「ちょっと弱い状況」が続いているが、賃金の上昇が着実に進めば解決できると語っています。
山本氏は、地方創生について「地方の所得を上げること」と定義しています。「それに向かってあらゆる施策を打っていきたいと思っている」と語り、財政、税制、規制改革などの面で取り組む考えを示しています。
賃上げの中小企業経営への影響については「駄目になるかと言ったらそんなことはない」と言い、むしろ社員のモラルが向上して離職率も減る効果があるとの見方を示しました。
また、地方の中小企業には「後継者がいない企業が非常に多い」と述べ、税理士や公認会計士らの協力を得て、後継者難に直面する中小企業の合併・買収 (M&A) を後押しする方策を検討していることを明らかにしました。
最後に
山本氏は、1948年8月8日生まれの68歳。衆院当選7回。安倍晋三首相とは、野党時代に金融政策に関する勉強会を重ね、アベノミクスの形成に関与しました。
2012年12月の政権発足から3年半が経過し、地方創生担当相としての初入閣に「アベノミクスが本当に成功したといえるのは、アベノミクスの果実が北海道から沖縄に至るまで全ての地域に行きわたるということ。ある意味で言うと、アベノミクスの仕上げをする責任を負うことになった」と語っています。
また、石破氏同様、国家戦略特区も担当することになった山本氏は、本日 (2016.8.31) 東京都の小池都知事とも意見交換する予定とか。
小池氏は、7月の都知事選で「特区制度の徹底活用」や「東京をアジアナンバー1の国際金融市場として復活」させることなどを公約として掲げています。
新たなスタートをきった山本氏と小池氏には、是非連携して取り組んで欲しいと思います。
ところで、大臣交代までの2年近く、石破茂 前・地方創生担当大臣が敷いてきたレールは、一定の方向性を示し、かなりの浸透度を見せていると思います。
それを引き継いだ山本幸三 地方創生担当大臣は、石破氏に比べると知名度は低く、その手腕・力量は未知数です。
しかし、「静かなる有事」と言われ、息の長い取り組みになること必至の「地方創生」に向けて、その持てる力を大いに発揮して欲しいと思います。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2016.8.31記)