本シリーズ「時間効率化その1」では、「ネットで更新された情報を探す時間」を減らし、得た情報を読んだり分析する時間を増やす仕組みとして「RSSリーダー」と呼ばれる機能をご紹介しました。
そして「時間効率化その2」では、「ネットで情報を探す時間」をどうしたら減らせるのか、Googleの検索機能をどう使いこなし求める検索結果に到達する時間を短縮するか、ご紹介しました。
今回は、RSSリーダーの代表格である「Googleリーダー」、検索サイトの代表格である「Google検索」に続いて、カレンダー機能の代表格である「Googleカレンダー」を活用することで、当方がどのように時間管理の手間とリスクを減らしているのか、一方で紙の手帳も併せて使っていますが、それはどういう用途で使っているのか、についてもご紹介したいと思います。
◇◇◇ Googleカレンダーの良さと紙の手帳の良さ ◇◇◇
まず、Googleカレンダーはどんなものか簡単に説明します。最近よく聞く「クラウド ※」で実現したGoogleが提供するスケジュール管理の機能です。インターネットとブラウザがあればGoogleに登録したアカウントでログインして無料で使えます。ITを使いこなしている先人達は既に当たり前のようにこの機能を活用していますが、それはどんな風に優れているのでしょうか。
※ 本シリーズ「プロローグその3・・・」で以下のようにご説明しました。
「クラウドというと、文字通りよく雲のイメージ図で描かれていますが、インターネットで繋がった世界を空に浮かぶ雲になぞらえた表現なのです。巨大な記憶装置を備えたおっきなコンピュータとインターネットで接続されていると思えばいいでしょう。そこにデータを保存したり、アプリケーションを利用したりできます。」
Googleカレンダーが持つ機能は多岐に亘るので、ここでもGoogleのヘルプ画面をご紹介しておきます。
こうした多くの機能の中でも、当方にとって特にありがたい機能をあげると以下の通りになります。
- 所有しているMac mini、MacBook Air、iPad、iPhone5いずれの機器でもカレンダーの確認や修正、新規予定作成等がいつでもどこでも行える
- MacやiPad、iPhoneの好きなカレンダーソフト、アプリを使用してGoogleカレンダーのデータと同期できる
- また、他の人が所有するインターネットに接続されたPCやiPadでも、自分のGoogleアカウントでログインすれば同じようにカレンダーを使用できる (使用後は必ずログアウトする必要あり)
- スケジュールアラームを設定した時間にMacの画面に表示したり、メールでiPhoneに配信してくれる
- 妻もGoogleカレンダーに自分の予定を入れており、双方のカレンダーを共有表示することでお互いの予定をどこでも確認できる (それぞれの予定を色分けして表示することが可能なので一目見て分かり易い)
- 紙の手帳と違って修正・転記が容易、また一つの機器を紛失しても大事なデータはクラウド上のGoogle記憶装置に格納されており、いつでも復旧できる
一方で、紙の手帳の良さも勿論あります。
- 一覧性の良さ☞パラパラとページをめくってアチコチを見たり、スケジュールの連続性を確認するのは紙の方が便利
- 旅の記憶に切符や入場券の半券等を手帳に貼るような使い方は紙の手帳にしかできない
- 手描きのマインドマップやイラストのように紙の方が適しているものもある
◇◇◇ デジタルとアナログの使い分け ◇◇◇
当方は、アポイント等データとしての「記録」はGoogleカレンダーに任せて、きちんと「記憶」しておきたい日々の出来事や気付きは「ほぼ日手帳カズン」というA5サイズの手帳に手書きで記入し、使い分けをしています。
カレンダーではありませんが、同じくクラウドを活用した多機能ノート「Evernote」についても多くの先人達が使いこなしていますが、アナログノートとコラボして創造的な発想をしている方も多いと感じています。(「Evernote」については改めてご紹介したいと思っています。)
デジタルとアナログ、それぞれ得手不得手があるので、その違いを把握してそれぞれの良いところを上手く使ってあげたら良いのではないでしょうか。
◇◇◇ 使いこなしの先人はどのように紹介されているか ◇◇◇
今回も経験豊かな先人をご紹介しましょう。「純コミックス」というブログを主宰されている純さんがGoogleカレンダーについてもコミックを使って分かり易く説明されています。
スケジュールはGoogleカレンダーで管理するに限る « 純コミックス
家族に手軽にクラウドを体感させたいならGoogleカレンダーを共有しよう « 純コミックス
また、最近では『純コミックス ザ・ムービー』という、実際にコミックを書く様子を撮影した動画をYouTubeで公開されています。例えば「クラウド」については以下のように。
今さら聞けない…!なあなたへ!純コミムービー第4弾「クラウドってなんだろう?」を公開しました! « 純コミックス
純さんは「生活と仕事を楽しくする!やさしいIT活用術を、マンガであなたに。」という思いでブログをアップされており、その思いは当方と同じです。今後は純さんと具体的なコラボができないか、近々お会いしてご相談する予定です。(^_^)
◇◇◇ Googleに個人情報を預けて大丈夫? ◇◇◇
機能的に優れていて、便利なのは分かったけど、Google社に自分の個人情報を預けて大丈夫だろうか、という心配はあると思います。
これについては、当方が云々申し上げるより、早くからGoogleのサービスを活用している野口悠紀雄氏がその著書「クラウド「超」仕事法」でも書かれていますし、また、以下のインタビュー記事でも話されていますのでご紹介しておきましょう。
『クラウド「超」仕事法』の野口悠紀雄さんに聞く(前編)、電話はもっとも邪悪な情報伝達手段。こちらの都合にまったく関わりなくかかってくる | BPnetビズカレッジ | nikkei BPnet 〈日経BPネット〉
以下冒頭の文章を引用してみます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
グーグルフォビアを克服
――とても早くからクラウドの便利さに気付いて使っていますよね。
野口 もともとクラウドフォビア(恐怖症)だったのですが、それをなんとか克服しました。
――それはどうやって?
野口 クラウドを使っても、相手が失うべきものを持っている場合には、悪用されることはないだろうと納得できたからです。Gメールを使うことによってグーグルが私の情報を持つことは事実だし、それを悪用することによってメリットを得る可能性はあるかもしれない。しかし、もし私の情報を悪用したことが明らかになると、グーグルは社会的な非難という損失を受ける。
――リスクを考えると、するわけがないと思いますよね。
野口 私の情報を使うことによって得られる利益はほんの微々たるものです。グーグルが合理的な企業だろうという信頼に基づいて、グーグルフォビアを克服したわけです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
どうでしょう?ここではGメールを例にしていますが、カレンダーでも同様だと思います。個人にとって大事な情報を悪用したとして、それがGoogle社にとって信用失墜に繋がるのであれば、得られる利益よりも損失が大きい (会社の存続にかかわる) ものと思われます。
また、Google社が倒産したら預けたデータは大丈夫だろうか、という心配に関しては、クラウド関連の大手IT企業が必ずや買収して事業を引き継ぐものと考えています。
どうしても心配だ、手元に置きたいということであれば、Googleのサービスは使わない方が夜よく眠れると思います。この場合は自分が手帳を紛失するリスクとのトレードオフになりますが・・・^^;
◇◇◇ 最後に ◇◇◇
今回は少し間接的な方法で「より時間をもたらしてくれる仕組み」について書いてみました。仕事で使う手帳にしろ、プライベートに使う手帳にしろ紛失したら大変です。今からのスケジュールを暗記していれば別ですが、そうでなければ今からの予定が分からずオロオロしてしまうことになります。
折角クラウドというデジタルな手段で、いつでもどこでも記録参照できて、バックアップもOKなGoogleカレンダーという存在があるのですから、その長所や短所をよく弁えた上で活用しない手はないと思います。結果的に時間のやりくりに手間取ったり紛失した手帳を探したりという無駄が省けるかもしれません。
RSSリーダーの代表格Googleリーダー、検索サイトの代表格Google検索、カレンダー機能の代表格Googleカレンダー、とGoogleの機能を続けて紹介してきましたが、別に当方の家族や親戚がGoogleの関係者というわけではありません。^^;
機能的に優れていて、個人であれば殆どのサービスを無料で使用でき、多くの先人が使いこなしの知恵を教えてくれるGoogleを使わない手はないと思います。
さて、長くなりましたので今回はここまで。お疲れ様でした。次回もGoogleのサービスを活用した「時間効率化」について考えてみたいと思っています。懲りずにお付き合い下さい!
では、これからも「楽に・楽しく・情報化」を目指して参りましょう!
「ITおじさん まとめページ」はこちらです。
___________
(2013.2.15記)