これまで時間の効率化を図り、浮いた時間を活かして色々なITツールを学んでいきましょう!ということで、無料で利用できるGoogleのサービスについてご紹介してきました。
【過去記事】
RSSリーダー、Google検索(1)、Google検索(2)、Googleカレンダー、Gmail
その時間効率化の有力手段の一つとして真っ先にご紹介したのがRSSリーダーでした。その代表格であるGoogleリーダーについて一昨日(2013.3.13)、突然Googleから今年の7月1日にサービスを停止するという発表がありました。
この発表があってから、twitterのタイムラインやfacebookのウォールでGoogleリーダーをよく使っている方々のアップが相次いでいます。一部にはサービスの存続を求めて署名運動も始まっているとか・・・全く使っていない方からすれば「それが何?」だと思いますが、富田も一瞬動揺した次第です。
今回は時間効率化に一区切りつけて、場所の制約を取り除く手段としてITをどのように活用するか、について連載を続ける積もりでした。場所の制約を取り除く有力な手段が最近よく聞くようになった「クラウド」というサービスです。
「クラウド」についてはこの連載でも何度か触れましたが、要するにインターネットに繋がった世界を雲に模して表現し、その世界には巨大な記憶装置を備えた様々な大型コンピュータが存在し、色々な会社がサービスを提供しているということです。
AppleがiTunesストアで音楽を提供したり、アプリを提供しているのも「クラウド」が実現しているサービスです。最近ではいよいよiBookstoreで電子書籍日本語版の販売も開始しましたね。
今迄ご紹介したGoogleのサービスもこの「クラウド」機能によって可能になっていました。そして多くの機能は個人ユーザーであれば殆ど無料で使えるものでした。巧みに配された広告による収入によりそれらのサービスを無料で提供するというのがGoogleのビジネスモデルですが、やはり営利企業である以上、事業内容のスクラップ&ビルドは付きものでしょう。
そこで、今回は場所の制約を取り除くのにも大きな機能を果たす「クラウド」の活用とGoogleリーダーの廃止を絡めて、有り難い無料サービスもサービス提供側の都合で一方的に停止されることもある、というリスクについても考えてみたいと思います。
◇◇◇ Googleリーダー サービス停止の理由 ◇◇◇
上記の署名運動を報じるIT Proの記事から、その一部を引用させて貰いましょう。
「同社は主力事業に注力するために、2011年から積極的に製品およびサービスを整理統合する“大掃除”を実施しており、Readerなどの提供停止はその一環。Readerは2005年にリリースされ、多くの愛用者がいるものの、ユーザー数が減少していることを理由に7月1日に終了することを決定した。これまでGoogleが発表した大掃除の対象は、合計70項目にのぼる。」
この通り、Googleはこれまでも試験的に色々なサービスを提供してユーザーの反応を見極め、本番運用することなく停止したり、本番運用してもその利用ユーザー数の推移などにより運用を停止したりしてきました。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、twitterやfacebook等SNS (ソーシャルネットワーキングサービス) の発展期にGoogleは出遅れた感があり、現在はGoogle+(プラス)というサービスを必死に普及させようとしています。結果、Google社内の開発要員等のリソース(経営資源)をGoogle+に集中させているとのことです。
今回のサービスの停止について、ある使いこなしの達人はブログで次のように書いておられます。
「毎日使い慣れたものが無くなるのは、心理的抵抗がとても強いですよね。
新しい代替のものが、全く同じ動きをするわけではありません。
それでも、そのサービスがなくなるには、何かの理由があります。
もうメインストリームではなくなったから、とか、費用が掛かる割に儲からなくなってきた、とか。
みんなが喜んで使ってユーザー数がガンガン伸び続けているうちはバラ色です。
ですが、それがいつまでも続くわけではないのです。」
毎日使っているサービスがなくなるということ〜Googleリーダー終了の件 | しゅうまいの256倍ブログ neophilia++
毎日使い慣れたものが無くなるのは、心理的抵抗がとても強いですよね。 新しい代替のものが、全く同じ動きをするわけではありません。 それでも、そのサービスがなくなるには、何かの理由があります。 もうメイ …
◇◇◇ サービス停止のリスクと対策、これはチャンスかも・・・ ◇◇◇
今回のサービス停止の報に接し、一瞬動揺したのは事実ですが、これで飯の種がなくなるわけでもないな、と思い直しました。自分が従事している事業に致命的な打撃を与えるのならば、すぐに対応策を講じて実行していく必要がありますけれど。
ただ、RSSリーダーに対する需要は確実にあるので、Google以外の企業が提供している代替サービスを利用することは今でもできますし、Google自体がGoogle+の一機能として別の形でサービスを開始する可能性もゼロではないでしょう。
サービス停止までまだ3ヶ月以上あるのですから、今後の動向をじっくり見極め、使いこなしの達人達がどのような選択をしていくのかによって自身の対応を決めていくこともできます。
これがGmailのサービス停止だと影響が大きすぎて対応が大変だと感じますが・・・
さて、まずGoogleリーダーの代替サービスは例えば livedoorリーダーがあります。Google自身が冒頭のサービス停止メッセージの「learn more…」をクリックすると表示されるヘルプで、現在ユーザーがGoogleリーダーに保持しているデータを全てコピー(エクスポート)するやり方を表示しています。
このヘルプ以外にも、使いこなしの達人が早速ブログで「Googleリーダーからライブドアリーダーに移行する方法」を解説してくれています。
Googleリーダー終了のお知らせ!ライブドアリーダーに移行する方法。 | 和洋風KAI
Googleリーダーからライブドアリーダーに移行する方法 …
こうして早めに対応するのが一つの方法。
もう一つは今回のことをきっかけにして、自分のRSSリーダーの運用を見直す機会と捉えることです。富田自身、もうかなり長い間Googleリーダーのお世話になっていますが、最近twitterやfacebookで情報を入手する機会が増えてきており、やや重複感があるのも事実です。
twitterでも気になるツイートがあれば印(スター)を付けて後で見直すこともできますし、facebookで紹介されているサイトが気になれば、そのサイトを同じくクラウドで提供されているEvernoteという多機能メモソフトでクリッピングしておくこともできます。
要するに以前と違って情報を入手するルートが複線化してきたので、RSSリーダーに頼っていた運用をこれを機会に見直してみようと思いました。
◇◇◇ 最後に ◇◇◇
あるサイトで「Google Reader がなくなるのは実はよいことかもしれない」と書かれているのを発見しました。
Google Reader がなくなるのは実はよいことかもしれない | Lifehacking.jp
時の経過と共に様々なサービスが登場し、また退場していきます。
無料で提供されるサービスは有り難いですが、一方的に打ち切られることも覚悟しておかなければなりません。そうした場合も今回のように一定の予告期間を経て停止されることが殆どでしょう。(企業倒産など突発的な事態を除いて…)
今回も自分自身にフィットした形で運用を見直していければいいな、と思います。
ただ、ここまで読んで頂いた方で、これからRSSリーダーの導入をしてみようかと考えておられる方はもう少し情勢を見極めて頂いた方が良いと思います。また、既に導入された方は、富田自身の運用の変更も7月までにはご報告できると思いますので、それを参考にして頂いてもいいでしょう。また、早めに他のサービスに移行頂いてもいいと思います。どうか宜しくお願いします。
では、これからも「楽に・楽しく・情報化」を目指して参りましょう!
「ITおじさんの、楽に・楽しく・情報化シリーズ」まとめページはこちらです。
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(2013.3.15記)