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さて、これまで出版への道を志すことになった経緯、想定読者に伝えたいことを書いてきました。 (こちらのページ参照)
前回は、「人格者」を目指すのは目標とすべきだが、「人望」は後からついてくるものなので目標とはなりえない、ということを書いてみました。
今日は、高齢化社会を迎え、シニア・シルバー世代がこの時代にどのように立ち向かえば良いか、について考えてみます。
一度山を下り、次の山を登る準備をする
以前、このブログで「登山に例えると、次の山に登るには、今の山から一度下山する必要がある」という記事を書きました。要約すると以下の通りです。
- 日本の人口推移を2015年の国勢調査で見ると、人口減少が初めてデータとして示された。
- 現在の出生率や死亡率が、このまま将来まで変わらないという前提で計算すると、数百年後には総人口が2000人程度となり、日本消滅が絵空事ではなくなる。いわば「静かなる有事」と言える。
- 日本という国自体が、既に下山の時代を迎えたということ。
- 一方、個人については、まもなく「人生100年時代」が到来し、みんなが足並みをそろえて教育、勤労、引退という3つのステージを生きた時代は終わりを告げる。
- これからは、この3つのステージだけではないマルチステージを生きていく必要がある。
- 次のステージに移る (次の山に登る) ためには、今のステージから一度降りて (今の山から下山して) 準備する必要がある。
- 準備とは、休息を取るだけではなく、投資とリ・クリエーション (再創造) の時間を持つことである。
投資とリ・クリエーション (再創造) により、人間力を高め、人格を磨く
一度山を下りる年代というと、会社勤めをしていれば定年を迎えた時でしょう。最近では、定年を待たずにアーリーリタイアメントして、次の山を登り出す方も増えています。
となると、中心はシニア (40代後半〜60代前半) 世代です。二度目の山を登る準備をしている、あるいは登っている途中なのが、シルバー (60代後半以降) 世代になるでしょうか。
この世代は、社会経験が長いことが強みです。一方、過去の成功体験や以前通用したやり方が、手枷足枷となってしまうケースもあります。
これまで積み重ねてきた経験や、体得してきた人情の機微などの感覚を生かせば、いくらAIが発達しようと敵わないものがあるはずです。
ただ、そうした経験や感覚などを、新しい時代に合うようにバージョンアップするためには、投資を行って研鑽を怠らず、自らリ・クリエーション (再創造) していく必要があるでしょう。
そうして、トータルの人間力を高めつつ、世代を超えたコミュニケーション能力を身につけ、それを人格として磨き上げねばなりません。
現役世代とタッグを組み、変化の先頭に立つ気概を持つ
シニア・シルバー世代は、現役世代には見えないものが見えるといえます。過去の成功体験だけでなく、失敗体験から学んだこともたくさんあるからです。
そうした力を、現役世代と二人三脚で掛け算していくことができれば、お互いに高め合っていくことができるはずです。
シニア・シルバー世代は、IT (IoT) が苦手な人が多いかもしれません。でも、それは現役世代、特に若い世代に教えを乞うことでカバーしていけるはずです。
そうして、お互いに補完しあう関係が築ければ、Win-Winの状態になります。あと、シニア・シルバー世代に必要なのは、好奇心を失わず、変化を恐れず進んでいく気概だと思います。
現代経営学そしてマネジメントの父とでも言うべきピーター・ドラッカーの言葉に次のものがあります。(こちらのサイト参照)
「あえて変化の先頭に立ち、その生み手となる」
ドラッカーは言います。
変化はコントロールできない。
できるのは変化の先頭に立つことだけである。
自ら未来を作ることにはリスクが伴う。
しかし、自ら未来を作ろうとしないことのほうが
リスクが大きい。
成功するとは限らない。
だが、自ら未来を作ろうとせずに
成功することはない。
というわけで、シニア・シルバー世代は、人間力を高め人格を磨き人望を得て、現役世代とタッグを組み、変化の先頭に立つ気概を持つことが、これからの時代を逞しく生きていく術 (すべ) なのではないでしょうか?
さて、長くなってきたので、続きは次回に。
では、また!
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(2018.2.27記)