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10月16日は、2013年に伊豆大島で台風による土砂災害が発生した日 – タイムライン防災を考える –

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「今日は何の日?」シリーズ第92弾です。

さて、ちょうど1年前の2013年10月16日に、10年に一度の強い勢力とされた台風第26号によって、伊豆大島で大規模な土砂災害が発生しました。

2013年の台風26号

昨日からテレビなどで大きく報道されていますが、あの伊豆大島で土石流が発生し、大きな山の木々が住宅街に流された映像が、まだ生々しく記憶に残っています。

この時は、東京都、千葉県、茨城県の14地点で、観測史上最大の24時間降水量を記録したそうです。

中でも、伊豆大島の大島町では、1時間の雨量が 122.5ミリ(16日3時53分まで)、24時間の雨量が 824ミリ(16日8時20分まで)と最大値を記録し、大きな被害に繋がってしまいました。

台風26号

伊豆大島西部の三原山の外輪山中腹が幅約950mにわたって崩落し、土石流が発生。土石流は西に向かって沢に沿うように河口部まで流れ、被害は長さ約1,200m、範囲は約114万㎡に及んだそうです。

この土石流は集落を飲み込み、36人が死亡、22人が重軽傷を負い、3人が未だ行方不明という被害を受けました。

タイムライン防災の動き

先月16日のブログ記事で、昨年の台風18号で京都嵐山の渡月橋が浸水するなどの被害を受けたことに触れると共に、例年に比べて8月・9月の台風発生件数が非常に少ないことをご紹介しました。

9月16日は、2013年に台風18号が上陸した日 平年に比べて台風の発生数に変化が… | ITで第二の人生を切り拓く、シニア起業家ブログ
そうしたら、10月に入って2週連続で台風18号・19号の上陸という事態になり、大きな被害を受けてしまいました。

そんな中、台風19号の上陸に備えて、「JR西日本で、全ての電車を運休にした」というニュースが話題になりました。

これが、実は「タイムライン防災」という防災行動計画の一環だったのです。

国土交通省のサイトにある資料に、次の説明があります。

大規模水災害の発災前から各主体が迅速で的確な対応をとるためには、いつ、だれが、どのように、何をするかをあらかじめ明確にしておくとともに、それぞれ他の主体がどのような対応をとるのかを把握しておくことが必要となることから、平時から各主体協働による、タイムライン(防災行動計画)を活用した取組みを行うことが重要となります。

タイムライン防災で具体的に被害を軽減した例として、2012年にアメリカの東海岸を襲ったハリケーン「サンディ」に対するニュージャージー州の例が挙げられています。

全米で132人が亡くなり、経済損失が8兆円にも上ったサンディの被害ですが、ニュージャージー州ではハリケーンが上陸して被害が発生する時刻を「0時」と定め、事前にやらなければならないことを時系列にまとめていました。

まず、96時間前には「州が避難所の計画と準備」をし、72時間前には「州知事による緊急事態宣言」、36時間前には「同知事による避難勧告の発表」、24時間前には「公共交通機関による運休の発表」という手順を定めていたのです。

このように「いつ」「誰が」「どのように」「何をするか」を重点的に定めておくのが「タイムライン防災」の大きな特徴です。

その結果として、ニュージャージー州では、建物の被害は多かったものの、「犠牲者はゼロ」という結果を出しました。また、事前に交通機関の運休を知らせたため、混乱も少なく、大きな減災効果があったとされています。

今回の台風19号でも、まだ台風が近づいている段階の前日早々に、JR西日本は翌日の全面運休を決めました。

その早いアナウンスのお陰で、デパートや飲食店などの商業施設、スポーツやコンサートなどのイベントなども早い段階で閉店時刻を早めたり、開催中止を決定することができました。

また、交通機関の運休を知って外出を控えた方達も多かったのです。これが、結果的に人的被害を少なくしたと言われています。

タイムライン防災のキーワードは、「空振りは許されるが、見逃しは許されない」となっています。

以下は、国土交通省が定めている「タイムライン防災計画」のイメージです。

(クリックで拡大します)

(クリックで拡大します)

・・・ということで、台風だろうが大雪だろうがストライキだろうが、頑張って会社に行っちゃうのがエライという日本的企業風土は根強くあるようですが、「無事・安全」が一番です。

頑張って無理をしても、怪我をしたり、いわんや命を落としたりしたら、元も子もありません。

上も下も「まっ、いいか…」と、ほど良い「いい加減さ」を持ちながら、過ごしていくのが大事なのではないか、と思う木曜日の朝なのでした。

・・・・・・・
さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
 
 
・・・・・・・・・・・・
(2014.10.16記)

富田 邦明

IT関係のコンサルタントをしております。
業務効率化・システム改善だけでなく、経営者視点のリスクマネジメントも同時に行い、人とテクノロジーのシナジー(相乗)効果を最大限にすること、そして、活き活きとした雰囲気で働ける環境作りを目指しています。

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