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“地方創生特区” を活用した取り組み・・・秋田県仙北市、国有林で豚放牧

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さて、昨日の記事「地方創生・・・新しい田舎作りのきっかけとなるか?古民家を共有する “シェアビレッジ” という取り組み」で、秋田県からスタートしたユニークな取り組みについてご紹介しました。

人口減少率でワースト1位という秋田県で、今度は「地方創生特区」を活用した取り組みが始まろうとしています。(こちらの記事参照)

今日は、その内容を確認してみました。

「地方創生特区」とは?

政府は、2015年3月19日に「国家戦略特区諮問会議 (議長・安倍晋三首相) 」で、戦略特区第2弾として、秋田県仙北市、仙台市、愛知県の3カ所を指定しました。

この3カ所については、特に「 地方創生特区」と位置付けており、医療や起業、教育などで大胆に規制を緩和し、地域の活性化に繋げたいとしています。

国家戦略特区については、内閣府地方創生推進事務局のこちらのページをご参照下さい。

国家戦略特区

仙北市が進める規制改革を活用した事業プランとは

地方創生特区における事業の具体化は、この3月までに決められた「地方版総合戦略」に基づいています。

この「地方版総合戦略」は、自治体の人口減諸対策や地域経済活性化のマスタープランとなります。

そして、4月からはいよいよ計画が実行段階に入ります。

地方創生特区で行う事業を具体化するためには、まず規制改革メニューに沿って活用事業 (区域計画) を決定し、諮問会議を経て内閣総理大臣の認定を受けなければなりません。

仙北市が認定を受けた事業は、下表の5事業になります。(こちらのページ参照)

仙北市認定事業

国有林で豚の放牧

仙北市では、認定を受けた「国有林野の管理経営に関する法律の特例」と「農業生産法人に係る農地法等の特例」を活用した事業を具体的に計画しています。

すなわち、国有林を民間に開放する特例を利用して豚を放牧し、農地法の特例を受けた農業法人による生ハム加工に乗り出す計画で、年内にも事業をスタートするとしています。

他にも、ヒツジのようなかわいい巻き毛が特徴のブランド豚「マンガリッツア」の導入や、小型無人機「ドローン」の飛行手続きを簡略化する特区では、申請後に即日許可できるようにするなど、企業や研究者が実験しやすい環境を整備するなど、いろいろな計画も同時に進めていくようです。

こうした取り組みからスタートして、現在人口約2万8,000人の仙北市は、2060年に国立社会保障・人口問題研究所 (社人研) の推計よりも、5,000人以上多い約1万6,000人とする人口ビジョンで掲げた目標を達成したいとしています。

このままの人口減少率が続けば、今後100年で人口がゼロになってしまうと言われている秋田県です。仙北市の取り組みが功を奏することを期待したいですね。

最後に

こちらの記事によれば、地方版総合戦略では、複数の自治体や官民が連携して観光振興や移住促進などの施策に取り組むケースが目立った、としています。

具体的には、例えば温暖な気候が共通する静岡、香川両県は、ミカンやオリーブといった農作物を低コストで安定生産するための機器を首都圏や地元の大学と共同開発し、生産拡大とブランド化を目指している等です。

また、2015年度補正予算で1,000億円を計上した「地方創生加速化交付金」で、戦略に盛り込まれた事業を支援し、2016年度には1,000億円の「地方創生推進交付金」を創設し、全国のモデルとなる事業に手厚く配分し、最長5年間の事業も認めるとしています。

ただ、地方側からは「戦略を本格展開するには、さらなる規模の交付金が必要だ」(四国の自治体関係者)と既に増額を求める声も出ているそうです。

これには首を傾げざるを得ません。

地方には、まだまだ中央からの交付金・補助金頼みという発想が抜け切れていないのでしょう。

以前アップしたブログ記事「岩手県紫波町 “オガールプロジェクト” に学ぶ ” 地方創生 ” の在り方」では、補助金ゼロで取り組んだ事例をご紹介しました。

地方自治体には、もっと自分達の身銭を切る、民間金融機関を最大限活用する、プロジェクト単位でふるさと納税・寄付を募る、といった知恵を働かせて欲しいと思う次第です。

・・・・・・・
さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
 
 
・・・・・・・・・・・・
(2016.4.5記)

富田 邦明

IT関係のコンサルタントをしております。
業務効率化・システム改善だけでなく、経営者視点のリスクマネジメントも同時に行い、人とテクノロジーのシナジー(相乗)効果を最大限にすること、そして、活き活きとした雰囲気で働ける環境作りを目指しています。

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