Challenge Next Stage 〜目指せ!出版への道〜

「なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?」第5章は、ありのままの自分を認める潔さを求めている!

0

0

0

0

0

アイキャッチ画像

夢の実現に向けた行動を阻む「1日24時間の壁」。足りない時間をどのように工夫するのか、あれこれ試行錯誤している時、新刊「なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?」を読みました。

前回まで4回続けて、その内容をご紹介してきました。今日は、いよいよ最終回です。では、本書の第5章について書いてみましょう。
 

10 1回目

 

20 2回目

30 3回目

40 4回目

自分にできることを冷静に見極めよう

50 第5章目次

「巧遅は拙速に如かず」ということわざがあります。

上手だが遅いよりも、下手でも速いほうがよいということですね。

兵法書の「孫子」の中で、戦争は戦術がよくないものであったとしても、迅速に行動し早く終結させるのがよい、と書かれていることから伝承されたことわざのようです。

富田も、新入社員時代に徹底的に教え込まれたことがあります。

曰く「仕事の締め切りに遅れたら、それがたとえ100%の出来でも0点だ。70%の出来でも締め切り迄に提出すれば、それは70点になる」と。

本書第5章では、まず完璧主義者が陥りやすい罠について書かれています。

「締め切りに間に合わせる」よりも「自分の納得のいく仕事をする」ことのほうがずっと大切だと思い込んでしまうのだと。

そして、締め切りに間に合わせよう、と「肝に銘じた」としても、そう思うだけでは不十分だと続けます。

「完璧にしたい」衝動を持つ人は、いくら「時間には限りがある!」と心の中で繰り返しても、時間を湯水のように使ってしまうことを防ぐことは困難なのです。

そして、作業にかかる時間を、実際よりかなり少なめに見積もってしまいます。「気合いを入れればできる!」と思い込むのです。

というわけで、著者の佐々木さんは「今日中にやれること」のリストが常に目に見えるようにすることを勧めています。

「タスクシュート式」の中核をなすツール「TaskChute2」を使って、下図のように「時間には限りがある」ことを常時可視化しておくわけです。

60 表

この図は「今日中にやれること」のすべてです。明日やればいい、いつかやればいい、といったものはありません。

こうして、「自分の時間」がいかに限られているかを明らかにすることで、「肝に銘じる」ことが可能になるのです。

本書のまとめ

最後に、佐々木さんは本書で示した時間節約の方針について、改めて纏めています。

  • 時間をムダにしない
  • 割り込み仕事を可能な限りブロックする
  • 先送りしないようにする
  • 仕事を完璧にやろうとしない

どれも、至極当然のことのように思えます。

ただ、時間不足を解決するための方法論として、「精神論」でも「紙の手帳を使う」という簡便な方法でもなく、「TaskChute2」という本格的なしくみを用いていることが特徴的な点です。

時間をうまく使おうとしたら、大事な用事のためだけに使われているわけではない時間もきちんと可視化して、どれだけ時間が限られたものであるか、をまざまざと自分に突きつけていくことが必要になります。

そして、実際の行動にひそむ「ムダ」や、手帳には書き出せない突然の「割り込み」に対処すること。「やる気」が出ないことや、これはいつ終わるのだろうかという「不安」といった心理的な問題にも対処する必要があります。

時間は増やせない、行動を変えるしかない、と佐々木さんは説きます。

「TaskChute2」という専用のしくみが強力にサポートしてくれるのですから、あとは実践するのみ、という言葉で本書は締め括られています。

本書読後感

5回に亘って、本書を読んで感じたことをご紹介してきました。

本書には付録として、「TaskChute誕生秘話」を監修者の大橋悦夫さんが書かれています。

スタートは、1998年8月6日と今から16年近く前に遡ります。

とある期限の迫った仕事を頼まれた大橋さんが、どうしたら期限までに仕事を完成させられるか、と知恵を絞ったことからすべてが始まりました。

Excelを使って、やらなければいけない作業項目、ボリューム、自分ができる作業スピード、更に上司に対する進捗報告の手間等を考慮して、進捗管理ができるシートを作成していったそうです。

そして、1日の仕事が終わる都度、何にどの位の時間がかかったのか記録して、残りの作業に必要な時間数を見積もります。

そして、期限までに完成しそうか、今日は定時に退社しても大丈夫か、シミュレーションを繰り返します。

結果として、無事期限までに仕事を完成させることができました。この時に作られた管理シートが、現在の「TaskChute2」の原型です。

最初はごくごく簡単な管理シートからスタートしたことが分かります。

それから15年以上が経過して、年々成長したツールは、現在見事なまでに作り込まれた精緻なものに仕上がっています。

それだけに、全く初めて接する人にとってみれば、原付にしか乗っていなかったのに、いきなりナナハンに乗ってみろ、と言われたような気がすると思います。

それなりに取り回し方を習得するなどは必要かもしれませんが、基本機能をまず使って、自分の1日24時間を可視化することが最初は大事なのだと思います。

「TaskChute2」と格闘して、なんとか記録を終えたら、1日のうち2時間をその格闘時間に費やしてしまい、他のことができなかった、という笑えない話になるかもしれません。

でも、そこはまず乗り越えなければいけない一つの山なのでしょう。

木こりは鈍った斧でいつまでも木を切り続けられません。一度木を切ることをストップして、斧を研ぐか、新しい斧を手に入れる必要があります。

まずは実践あるのみです!

・・・・・・・
さて、長くなりました。今日はここまでにしましょう。
ではまた!(^_^)
 

 
・・・・・・・・・・・・
(2014.4.24記)

富田 邦明

IT関係のコンサルタントをしております。
業務効率化・システム改善だけでなく、経営者視点のリスクマネジメントも同時に行い、人とテクノロジーのシナジー(相乗)効果を最大限にすること、そして、活き活きとした雰囲気で働ける環境作りを目指しています。

コメント

人生のセカンドステージを、ポジティブ&アクティブに過ごすことを目指して、アラカン(アカウンド還暦)世代の筆者が思いを綴るブログ。
Consulting Office SMART代表/富田邦明が人となりをお伝えするために運営しています。

詳しいプロフィールはこちら