Challenge Next Stage 〜目指せ!出版への道〜

消費者庁の徳島移転、実証実験始まる!消費者団体・日弁連は移転に反対…

0

0

0

0

0

アイキャッチ画像

さて、東京一極集中の是正と地方創生の実現に向けて、政府が検討している中央官庁・政府機関の地方移転ですが、いよいよ消費者庁の徳島移転に関して、実証実験が始まりました。(こちらの記事参照)

これまでの経緯振り返り

中央官庁・政府機関の地方移転に関しては、このブログでも何度かその動きをご紹介してきました。

今回の消費者庁の徳島移転検討に関係する記事は、以下の通りです。

光ファイバー網が張り巡らされた地方の山里で働くという選択はあり?
政府機関の地方移転、5年間の社会実験へ・・・未来のために大いにやるべし!
中央省庁・政府機関の地方移転は “島流し” ?官僚の抵抗をどう封じるか…

政府は2015年3月、地方創生の実現に向けて、「東京一極集中」を是正するため国の機関の地方への移転を積極的に進める方針を掲げ、誘致を希望する道府県を募集しました。

政府の募集に対し、2015年8月までに42の道府県から69の機関について誘致の希望が出され、徳島県は「消費者庁」と、全国の消費生活センターの相談内容を集約している「国民生活センター」の誘致を希望しました。

消費者庁の誘致を希望する理由について徳島県は、食品偽装を防ぐため特産のわかめの認証制度を取り入れるなど消費者行政で積極的な取り組みを行っていることや、場所を問わない働き方、「テレワーク」などの実現に向けて通信環境の整備に取り組んでいることを挙げています。

今回の実証実験はほんの肩慣らし

今回は、3月14日から4日間、徳島県神山町のオフィスで勤務し、移転に伴う課題を検証するものです。

検証に参加するのは、消費者庁の板東長官をはじめ、消費者安全課や消費者制度課など8つの部署の課長補佐や係長ら合わせて10人、東京から離れた場所でも普段どおりに業務を進められるか検証します。

初日の14日、板東長官は「ウェブ会議」を通じて東京にいる消費者安全課の課長から製品事故について報告を受けたほか、職員達も「ウェブ会議」を通じて東京にいる職員とやり取りしながら食品の安全に関する会議の開催に向けて資料を作成したり、今の国会に提出している消費者契約法の改正案について説明用の資料を作成したりしたということです。

ただ、今回は4日間という限られた日数であり、あくまで一部の業務と「ウェブ会議」などの通信環境の確認に留まりそうです。

河野消費者担当大臣は、今年7月には規模を拡大して再び徳島県で実証実験を行う方針を明らかにしています。

7月の実証実験では、数十人の職員がおよそ1か月間、徳島県庁を拠点に勤務を行い、業務にどのような影響があるか、より詳しく検証が行われる予定とのことです。

移転を巡る反対意見

霞ヶ関の官僚の間では、今のところ表だった抵抗はない、との報道がある一方で、消費者庁内部からは “有事の国会対応” や “非常勤の専門家の確保が難しくなる” など懸念の声も上がっているようです。

地元住民からは歓迎の声が多いとのことですが、消費者団体や日弁連は「各省庁との連携や、消費者の生命に関わる緊急事態への対応で、役割を十分に果たせなくなるおそれがあり、消費者行政の後退を招く」として反対しています。

消費者団体の一つ、「主婦連合会」の河村真紀子事務局長は、「消費者庁は、そもそも全国各地の消費者行政の格差をなくす “司令塔” として設立されたのに、地方への移転はその目的に反している。産業を育成する他の省庁が東京に残るなか、規制をかける立場の消費者庁だけが地方に移転することは、煙たい存在を放り出すようなもので、消費者保護が遠のきかねない」と話しています。

日本に先駆け政府機関の移転を実現した韓国では、国会や大統領府はソウルに残っているため、交通の不便さや非効率性を指摘する声も上がっているが、人口は倍増し地域の活性化には効果があがったということです。

政治の強い指導力はどこまで発揮できるのか

消費者庁が徳島に移転することによって、消費者サイドにデメリットが生じることは当然予想されます。

そうした課題を無視することなく、根気強く解決策を導き出すことが必要でしょう。

今の予定では、7月1ヶ月間の実証実験を経て、8月には移転するかどうかの結論を政府が出すことになっています。

1ヶ月間で多くの課題は浮き彫りになると予想されますが、その解決策を見つけ出すには時間が足りないのではないでしょうか。

そうした状況で結論を出すことは、性急過ぎるように思います。

「やっぱりダメだね…」となるのか、政治の強固な意志と指導力でなんとしても移転を成功させるのだ、となるのか、結果を見守ることにしましょう。

・・・・・・・
さて、今日はここまでにしますね。
ではまた!
 
 
・・・・・・・・・・・・
(2016.3.16記)

富田 邦明

IT関係のコンサルタントをしております。
業務効率化・システム改善だけでなく、経営者視点のリスクマネジメントも同時に行い、人とテクノロジーのシナジー(相乗)効果を最大限にすること、そして、活き活きとした雰囲気で働ける環境作りを目指しています。

コメント

人生のセカンドステージを、ポジティブ&アクティブに過ごすことを目指して、アラカン(アカウンド還暦)世代の筆者が思いを綴るブログ。
Consulting Office SMART代表/富田邦明が人となりをお伝えするために運営しています。

詳しいプロフィールはこちら