さて、3月末で地方自治体による「地方版総合戦略」と「地方人口ビジョン」の策定が終わり、4月からは実行段階に入ります。
そんな時に、『安倍政権「地方創生元年」の総括 自治体の「やらされている感」ありあり』という記事が目に留まりました。
今日と明日は、この問題について考えてみます。
安倍総理が発言した「地方創生元年」
2015年4月、政府のまち・ひと・しごと創生本部会合で安倍総理が次のように発言したそうです。
「本年は地方創生元年。地方創生を成功させ、わが国の人口減少に歯止めをかけるため、取り組みをスピードアップさせなければならない。」
このブログでも過去度々アップしてきましたが、安倍内閣は2014年9月、内閣直属のまち・ひと・しごと創生本部を設置し、新設の地方創生担当大臣に自民党内実力者の石破茂氏を起用しました。
そして、2014年12月に、日本の人口の現状と将来の姿を示し、今後目指すべき将来を提示する「長期ビジョン」、及び、これを実現するため今後5か年の目標や施策や基本的な方向を提示する「総合戦略」がとりまとめられ、閣議決定されました。(パンフレット参照)
まち・ひと・しごと創生本部は、これと並行して各地方自治体に対しても「地方人口ビジョン」と「地方版総合戦略」を、2015年3月末までに策定するよう求めました。(こちらの資料参照)
そうした急ピッチの取り組みにより、各地方自治体には地方創生担当部署が置かれたり、地方金融機関にも地方創生に取り組む専門部署が新設されたりしました。
また、再三ご紹介してきた通り、地方創生を目的とした官民学連携や異業種連携の動きも活発になってきました。(こちらの記事参照)
こうしたことにより、ビジネス・学術の両面で地方に注目が集まってきたのは、安倍内閣の取り組みの成果と評価できます。
政府・中央官庁・地方自治体のギャップ
一方で、当然のことと言えばそうなのかもしれませんが、政府・中央省庁・地方自治体では、かなりの温度差があるように思われます。
2015年に実施された国勢調査の人口調査速報で、いよいよ人口減少期に突入したこと、そして、ますます東京一極集中が進んでいることが明らかになりました。(こちらの記事参照)
人口減少率に少しでも歯止めをかける対策は、日本の将来にとって喫緊の課題です。
政府は、そうした危機感を強く持って、急ピッチで地方創生に取り組んでいるように見えます。
しかし、中央省庁は、本来地方創生に必要な、中央が握っている権限・財源を地方に移譲する地方分権にはあくまで消極的のようです。
一方、肝心の地方自治体はどうでしょう?
さて、少々長くなってきましたので、明日に続けます。
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ではまた!
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(2016.4.6記)