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さて、以前当ブログで「” 美食 ” で自立するスペインの地方都市に学ぶ ” 稼ぐ仕組み ”」という記事を2つアップしました。(記事①、記事②)
そこでは、スペインの小さな都市が「美食」をポイントに成長を続けている事例をご紹介しました。
そうしたところ日本でも、今回、青森県弘前市で新たな食の取り組みにより地方創生を進めるプロジェクトがスタートしたという報道がありました。(こちらの記事参照)
今日は、その取り組みを見てみましょう。
「CSV」とは?
CSV (Creating Shared Value) とは、企業の事業推進力によって社会課題を解決するという考え方を、地方自治体において具体的に実践する官民連携プログラムです。
「一般社団法人CSV開発機構」の会員企業を中心とした首都圏事業者と、自治体、地元事業者、大学等が連携して、地域の社会課題解決を目指すものです。
CSV開発機構は、補助金に頼らない、サスティナブル (持続可能) なビジネスモデルによる地域経済の活性化を目指し、全国展開を図っていくとしています。
CSVプロジェクトから生まれた「白神めぐみ寿司」
「白神めぐみ寿司」は、2014年から街づくりに関する包括連携協定を締結している青森県・弘前市と一般社団法人CSV開発機構が、地元の生産者、事業者、飲食店などと協力して進めてきたCSVによる地域活性化プロジェクトの1つとして誕生しました。
「白神めぐみ寿司」は、世界遺産・白神山地の新しいインパクトを発信する地域事業者ブランディング事業と位置付けられています。
白神山地が供給する良質な水と栄養塩は、山菜やキノコ、嶽きみや大鰐もやし、雪下にんじんなどの地元野菜、県内臨海自治体の豊富な魚介類を育んできました。
これらを材料に、地元の料飲事業者がそれぞれのアイディアを駆使したオリジナルの「白神めぐみ寿司」を創作し、来街者に提供しようというビジネスモデルになっています。
こうして津軽地方の食の豊かさに加えて、地域ならではの伝統・文化・風習を加味し「弘前にわざわざ食べに行く」という新たな食文化を創出しているのです。
このプロジェクトを通じて、弘前市の観光来訪者数の底上げと地元経済の活性化を目指しています。
最後に
7月から、弘前市内の7店舗 (下記参照) で、それぞれのシェフが創作するオリジナルメニューの提供が開始されるそうです。
「白神めぐみ寿司」提供店舗(2016年6月20日現在)
●レストランベルビュー(ホテルニューキャッスル)
●この花(ホテルニューキャッスル)
●ポルトブラン
●御料理 なる海
●BE-SIDE(ブロッサムホテル弘前)
●おまかせ料理 すゞめのお宿
●ポワンルージュ
そして、東京と弘前の2か所で完成披露セレモニーが開催され、その後2か月間首都圏でプロモーション活動が展開されます。
CSV開発機構は、「白神めぐみ寿司」プロジェクトを皮切りに、地元事業者と首都圏事業者の連携による地方創生プロジェクトを全国各地で水平展開していく予定としています。
こうした取り組みにより、弘前市の観光誘客と消費拡大に繋がり、地方創生の成功事例となるといいですね。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2016.7.1記)