Challenge Next Stage 〜目指せ!出版への道〜

地方創生・・・地方の交通弱者を救う “乗合タクシー” や “ヒトもの混載バス” などの取り組みに知恵を見る!

0

0

0

0

1

アイキャッチ画像(画像出典元はこちら)

さて、5日ぶりの地方創生に関する記事です。

地方創生に関する記事で、当ブログでは地方の交通弱者を救う取り組みとして、以下の記事をアップしてきました。

地方創生とテクノロジーの進展…ロボットタクシーが実現すると?

地方創生・・・アプリで一般車の配車ができる “ささえ合い交通” が、京都府京丹後市でスタート!過疎地交通弱者の支えになるか?

そうした中、既存の交通機関の強みを活かす事例を紹介している、こちらの記事を先日読みました。

そこで、今日はその内容を整理して、以下の事例をご紹介しましょう。

  1. 北九州八幡の乗合タクシー
  2. 岩手と宮崎のヒトものバス
  3. 千葉県佐倉の山万ユーカリが丘線

北九州八幡の乗合タクシー

かつて、八幡製鉄所の企業城下町として栄えた北九州市八幡東区は、新日鉄 (現新日鉄住金) 八幡製鉄所が同地区から撤退したことにより、人口減少と高齢化が一気に進みました。

製鉄所を見おろす八幡東区の枝光地区の高台の住宅街は、車社会が定着する前に開発が進んだため、住宅には車庫スペースがなく、多くの住民は車を持たないそうです。

高台で「買い物難民」化する高齢者と、衰退する商店街。これを救ったのが、運行時刻と乗降場所を定める「乗り合いタクシー事業」でした。

当初は9人乗りジャンボタクシーを使って始まりましたが。現在ではマイクロバスを活用し、約1万7千人が暮らす枝光地区を、商店街を起点にした5路線が運行しています。どこで乗っても、どこで降りても1人150円という安さです。1日300人近くが利用しているとか。

①枝光やまさか乗合タクシー(画像出典元はこちら)

岩手と宮崎のヒトものバス

旅客と貨物をミックスさせることで、運転手不足をカバーし、路線そのものを守ろうというユニークな取り組みも始まっています。

昨年 (2015年) 6月、専用の荷室を備えた全国初の貨客混載バスがJR盛岡駅前に登場しました。宅配便大手のヤマト運輸と岩手県北自動車がタッグを組んだ「ヒトものバス」です。

盛岡市と岩手県宮古市を結ぶ路線バスの座席を45から32に減らし、車両後部の荷室に宅配便を収めるコンテナ2個を積めるようにしました。

ヤマト運輸は長距離ドライバー不足、岩手県北自動車は過疎と高齢化による旅客減少に悩んでいましたが、この悩みを解消する「Win – Win」(相互利益) の関係を目指しているのです。

②岩手・ヒトものバス(画像出典元はこちら)

また、ヤマト運輸と宮崎交通が組んで、昨年 (2015年) 10月に運行を始めた「ヒトものバス」で同様の取り組みが始まりました。

③宮崎・ヒトものバス(画像出典元はこちら)

千葉県佐倉の山万ユーカリが丘線

当ブログでは、以前首都圏で急増する高齢者で、地方への移住希望者を対象とした「日本版CCRC」構想についてご紹介しました。(こちらの記事参照)

そのお手本と目されているのが、千葉県佐倉市にある全7,300戸の住宅分譲地、ユーカリが丘を走るローカル鉄道「山万ユーカリが丘線」です。

ユーカリが丘線に乗車した石破茂地方創生担当相が「素晴らしい!」と絶賛したとか。

ユーカリが丘線を運営するのは、同地を分譲した地域密着の不動産会社「山万」です。分譲を開始した1979年 (昭和54年) から住民用の交通網整備を計画し、1982年から4駅で運行をスタート。現在までに6駅 (約4キロ) が分譲地内で円を描くように配置されています。

分譲地では、どこからでも徒歩10分以内にいずれかの駅に着けます。1983年に46万人ほどだった乗降客は、1989年 (平成元年) に100万人を突破し、昨年 (2015年) は約147万人にまで増えたそうです。

④ユーカリが丘線(画像出典元はこちら)

最後に

政府は、2015年度補正予算で「地方創生加速化交付金」1,000億円を編成したのに続き、2016年度予算でも「地方創生推進交付金」1,000億円を編成し、先日1次募集を締め切りました。

今回の、既存の交通機関の強みを活かす事例を紹介した記事の最後にも記載がありますが、この交付金の上限は1市町村当たり1事業1億円となっています。

自治体が、民間企業の良いパートナーを見つけることができれば、「山万モデル」の実現は不可能とは思えません。

ますます高齢化が進む地方で、自家用車を自分で運転することが難しくなる高齢者が交通弱者になるのは目に見えてます。また、交通インフラの整備は、地元経済の発展にとっても必要なことです。

今回紹介された各地の事例を参考にして、知恵を絞り、いろいろな取り組みが進んで欲しいと思います。

・・・・・・・
さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
 
 
・・・・・・・・・・・・
(2016.7.10記)

富田 邦明

IT関係のコンサルタントをしております。
業務効率化・システム改善だけでなく、経営者視点のリスクマネジメントも同時に行い、人とテクノロジーのシナジー(相乗)効果を最大限にすること、そして、活き活きとした雰囲気で働ける環境作りを目指しています。

コメント

人生のセカンドステージを、ポジティブ&アクティブに過ごすことを目指して、アラカン(アカウンド還暦)世代の筆者が思いを綴るブログ。
Consulting Office SMART代表/富田邦明が人となりをお伝えするために運営しています。

詳しいプロフィールはこちら